昨年の秋、私は燃え尽き症候群を発症した。
体調がおかしくなったのが9月ごろだったから
あれからちょうど1年ほどたったんだな。
燃え尽き症候群:バーンアウトシンドロームという名のそれは、目標を失った時に生じる意欲の低下や燃えるように頑張っていた人が急に炎が消えたように何もできなくなる状態を指すらしい。(※ひだまりこころクリニックHPより引用)
うつ病に似た症状だけど医学的な病名はないとのことで、私もそのような名前では診断はされず。私の場合は "適応障害" という診断をしていただきました。
ちなみに体調を崩し始めたのは去年の9月頃だったんだけど、結局病院に通い始めたのは今年の6月に入ってから。つまり9か月間も自分をだましながら過ごしていたことになる。
これが正直とてもつらかった。
病院に通い始めてからは、原因や対処法なども教えてもらうことができたので今はだいぶ良くなってきています。
燃え尽き症候群はいつでも誰にでもなってしまう症状であるということ。また、一度なってしまうと再発の確立も高いと言われているため、自分のためにそして今少しでも辛いと思っている方のためにも記録を残すことにしました。
同じように苦しんでいる方がもしいらっしゃるのなら、少しでも心の元気を取り戻していっていただければいいなと思っています
燃え尽き症候群になったきっかけ
現在私は、本業とYouTube(またはブログなど個人の活動)の掛け持ちをしながら生活しています。
とはいえYouTubeや個人の活動は趣味の延長線上で楽しんでいるので、どちらかと言えば「仕事です」と胸を張って言えるような活動はしておりません。
なのに…
そんなゆるい環境なのに…
燃え尽き症候群になりました。
YouTube活動がきっかけでした
タイトルの通り。
YouTubeの活動がきっかけで燃え尽き症候群になった。
とはいえYouTubeは頑張れば頑張るほど精神的にやられてしまう…と、活動を重ねながら感じていたため、初期のころから全力で取り組むことはせず。「ゆるくゆるく頑張らずに長く続けること」を意識して活動するようにしていました。
※YouTubeの活動がなぜ精神的に辛いといわれているか・・についてはAERAdot.さんの記事などを見ていただければ幸いです。(ちなみに私が燃え尽き症候群になったきっかけはこれではありません)
まぁもともと趣味の延長線上なので、動画を撮影しながらツーリングすることも編集をすることも苦痛に感じたことはほとんどなし。
「自分の行きたいところに行き自分の食べたいものを食べ、そしてそれをキロクする」という趣味(YouTube活動)は思いのほかかなり楽しい(笑)
案件動画で燃え尽きた
では、私がなぜ燃え尽き症候群になったのか…
きっかけは「案件」動画でした。
え、でも案件っていっぱいお金もらえるって聞くし、めちゃくちゃやりがいあるんじゃないの?
と感じる方もいるかもしれません。
確かに案件の内容によっては、やりがいがあることも多く ビックリするくらい高額な報酬をいただけるものも中にはあります。(まぁでも高額なものはそれなりに動画制作が大変なので=高額報酬だと思っている。)
そしてもちろん、「案件」をたくさんやればやるほどYouTubeで稼げることは確かです。
そんなこんなで、まだまだYouTuberとしては未熟者の私にも「案件」のご依頼が増えてきました。
これがもう有難くて有難くて(笑)
だけど、その時の私の心って下記のような感じで。
わぁぁ、まだまだ影響力とか微塵もないわたしに「案件」の依頼をしてくださるなんて…。あぁぁ有難い。頑張らなくては…。失敗は許されない。失敗したらもう二度と依頼なんてしてくれなくなっちゃうんだから!ちょっと本業が忙しくなってきたけど、睡眠時間を削ればなんとかんるよね?よし…頑張ろう。やるぞ、やるんだ。
ゆるく頑張らず長く続けることが大事だと意識して活動をしていたのに、案件のご依頼があるとこのように自分のキャパを超えて「失敗は許されない」「頑張るしかない」と精力的に取り組む姿勢でバリバリ挑むことになったのです。
まぁでも自分が紹介したくないものなどはお断りしていたから、ちゃんと選んではいたんだけど。
動画が作れなくなった
最初はもちろん精力的に真剣にバリバリと「案件」もこなすことができたけど、次第に動画を作ることができなくなりました。というか何をするにも苦痛になってしまったという感じ。
カメラを充電することも苦痛。
バイクに乗るのも苦痛。
台本なんて考えられない。
「失敗しちゃいけない」「報酬をいただくのだから頑張らなくてはいけない」という気持ちとは裏腹に、何もできない自分に次第にイライラ。
今までは "自分の好きなことだけを動画にしていた" のに「案件」では "好きなことじゃなくても動画を撮らなければいけない" という強制感がストレスだったように思います。(今思えばストレスだったと思うけど、その時は全力だったのでそこまで考えてはいなかった)
また、普段のツーリング記録として編集している動画とは違い、締切日が設けられています。余裕のある期日を提示していただいているにもかかわらず、やっぱり締切があることがきつかった。
YouTubeだけならまだしも、私には本業だってある。次第に休日というものがなくなり…そしてある日、案件が3つ重なったときに私は壊れました(笑)
なにかがプツッと切れたように体調を崩し始めたのです。
身体と心が不調となり体調を崩す
このころから体調を崩し始めます。
今からちょうど1年前のことです。
"納得のいく動画を作ることができない"(うまく仕事がこなせない)という症状が1番最初に現れた症状と言えるかもしれませんが、このころから「案件」だけでなく すべてのYouTube活動が辛くなっていました。
その頃現れた症状は
- 喉の奥がずっと苦しい
- 夜中に何度も何度も目覚める
- 人からネガティブになったと言われる
- 他人の評価に敏感になり情緒不安定
- 笑い方がわからなくなった
- 趣味のバイクを楽しめない
- YouTubeを続けることが辛くなる
とくに中途覚醒がひどく、睡眠時間が3~4時間という日々が続きます。
睡眠時間が取れないと、さらにマイナス思考になりやる気も削がれ 悪循環になっていたと今となっては思いますが、その時はなぜ眠れないのか?がわからず。「最近寝れないな…」くらいにしか思っていませんでした。
自分の好きなことだけをやろうと心に決める
私の場合、症状がそれほど重くなかったのか「好きな場所へ行き、好きなものを食べる」という普段のYouTubeの活動は続けることができていました。
ただ、編集しようとパソコンに向かえど全く編集できずに1日を終える…ベッドから起き上がれない…みたいな日もあって 前のようにはできなくなったりもしたから、「YouTube活動はできていた」とはいえないかもしれない。「かろうじてこなしてた」という感じだろうか。
だけどもうあんな苦しいことは無理。
「案件」を引き受けるのはしばらくやめよう…というのだけは誓っていた。
というか、たぶんできなかったと思う。
何もできない日も多くあったけど、とにかく今は自分の好きなことややりたいことしかしない生活をしよう と意識して生活するようにしていました。
これが功を奏したのか、徐々に徐々にだけど喉の奥の苦しさや情緒不安定からは抜け出していったように記憶しています。
そしてここが、職場(会社など)で燃え尽き症候群になった方との違いが出ると思うんです。
会社で燃え尽き症候群になると「自分の好きなことしかやらない」ということがかなり難しいため=休職する、退職する、転職する という選択をされている方が多いかな?という印象。
私の場合 本業はとくにストレスではなく、YouTube(案件)が原因だったため「YouTubeをやらない」という解決方法だけで乗り切ることができました。
まぁYouTubeの撮影や編集は好きだったので「案件をやらない」という方法で現在はかなり症状が良くなっているんだけど。
ただ、なかなか中途覚醒が治らず ようやく今年の6月に病院の門をたたくことになりました(笑)
適応障害という診断
結果、適応障害という診断でしたが 「まぁ燃え尽き症候群でしょう」とのこと。
血液検査の結果コルチゾール(いわゆるストレスホルモンと呼ばれるもの)の値が普通の人の倍以上あった(笑)
「こりゃ眠れないはずだよ」って先生に言われたんだけど、なんか原因がわかって少しほっとしてる自分がいて、思わず笑っちゃいましたね(笑)
そんなこんなでデエビゴという睡眠薬を処方され→眠れるようになり…今では薬を飲まずにぐっすり7時間ほど眠れています!
眠れるようになると気分も前向きになり、今は毎日がすごく楽しい。
「自分が好きなこと」「行きたい場所」「やりたいこと」以外はやらない!ということをかなり意識するようになったからか、以前のように趣味としてYouTubeを楽しめるようにもなりました。
以前より投稿頻度は少し減ってしまったけれど、たぶんこれが私の心地良い頻度なんだと思っています。
ちなみに…暗闇の中にいたころの私の動画を見てくれたらわかるんだけど、作りがかなりひどい(笑)
たぶん「あれ?」って気づいてくれた視聴者さんもいたと思うんだけど「前の動画のほうが好きでした」というメッセージにはかなり心をえぐられたwww(そのころはマイナス思考で情緒不安定だったからさ笑)
燃え尽きさんの本を読んだりもした
"燃え尽き症候群でしょう" と、診断を受けた後にだけど「燃え尽きさんの本」という本を読んだりしてみました。
この本の中で「やらないことを決めてエネルギーの無駄遣いを防止する」という個所が出てくるんだけど、やらないことを決めるって出来ているようで出来なくて。やろうと思ってもできなかったりするな…と。
ただやらないことを決めないと、全力を注ぐ場所がどこかわからなくなり全部に全力を注いでしまうから、そうすると燃え尽きてしまう。
やらないことを決めるというのがいかに今の私にとって大切か思い知らされました。
下記の動画は「燃え尽きさんの本」の要約となっているので気になる方は見てみてください!
あとがき|頑張らなくていい、ほどほどにやろう
頑張らなくていい、ほどほどにやろう!
私にも言ってあげたいし、今しんどくて頑張ってる方にも届いたらいいな。
「期待に応えたい!」という気持ちは人間誰しもあると思いますが、高い要求度の仕事をこなし続けることは私のように燃え尽き症候群になりえます。
自分はここまでならできる。
これ以上はキャパオーバーだ。
という線引きは自分にしかわかりません。
とくに仕事のことはなかなか周りに理解してもらえず(同僚や仲間ならまだしも)家族や身近の人には相談しにくかったり。ひとりで悩んでしまうことだって多いはず。
だからこそ!
自分の線引きは自分ですることが大事だと、燃え尽き症候群になったからこそ大きな声で言えます。
頑張らなくていい、ほどほどにやろう。
そしてなるだけ楽しいことややりたいことだけやろう!
身近な人が燃え尽き症候群かもしれないと思ったら…
身近な人が燃え尽き症候群かな?と思ったら
決して言わないで欲しい言葉があります。
それは
「〇〇さんのほうがもっと辛いと思うよ」
「私も辛いけど頑張ってるよ」
という言葉。
私が燃え尽き症候群ど真ん中にいたときに友人に相談し、言われたのが「そんなこと言ったらYouTuberの〇〇さんとかすごくない?絶対あなたより辛いと思うよ」という言葉だったんだけど。
これを聞いて「そうか私はまだまだ頑張れていないんだ…」とさらに自分を追い込んでしまいました。
相談した友人に全く悪気はなかったと思うのですが、もし知り合いや同僚に「仕事が辛くてたまらないんだ」と相談を受けた際には「体が心配だから休んで欲しい」という言葉をかけてあげて欲しいなと思います。
周りに燃え尽き症候群の方がいても気づけないかもな…と思う方は下記の動画がおすすめです。
ということで、長々と私の燃え尽きた話を恥ずかしながら話してみました。
物事に一生懸命取り組むことは大事ですが、自分が「楽しい」「やりたい」と思っていないことに一生懸命取り組むのは燃え尽き症候群になってしまう一因になりえます。
やりたくないことや苦手なことは、他の人の手を借りたり逃げたりしてもいいと思う。
頑張らなくていい!
ほどほどにやろう!