2024年8月。
東京都限定でHONDAが電動バイクのモニターキャンペーンを募集していた。
私の相棒 "リトルカブ" の調子も悪い。
新しくバイクを買うかどうするか決まらない。
こんな状況だったもので
「悩んでる間に乗るバイクを借りれるならええな」
みたいな軽いノリで応募をしたら当選してしまいました(笑)
そんなわけで2カ月間、HONDAの噂の電動バイク
EM1 e: をモニターとしてお借りすることに。
乗り始めて1カ月ほど経過したので、今日は1カ月乗った感想などを書いてみようと思います。
毎度のことながらインプレというよりは、"バイクに乗るのが趣味という女が率直に乗ってみた感想や雰囲気をお伝えする感想文" と思って読んでいただければ幸いです。
この記事がどなたかの参考になりますように。
走行の様子などはぜひ動画で
EM1 e:の走行の様子は動画で確認できます。
モーター音や静穏性の確認もできるので、気になる方はぜひ!
EM1 e: は「ちょうどe:(いい)Scooter」がコンセプト!
EM1e:は「ちょうどe:(いい)Scooter」をコンセプトに開発されたHONDAの電動バイクです。
パワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの走行距離53km(30km/h定地走行テスト値)を実現。クリーンでいて静かな走行を可能にしました。
欧州向けには CUV e: という110ccの電動バイクを発売するという発表がつい先日あったけれど、日本での家庭用電動バイクは今のところこの「EM1 :e」のみ。
排気量は50ccのいわゆる原付バイクです。
詳しいスペック等は上のサイトで確認していただきたいのだけれども。まぁね、いうて50ccなんですよ。ぶっちゃけてしまうけれど、やっぱ50ccは制限が多くて楽しくないです(笑)
先に結論を言ってしまうと、EM1:eは50ccの原付を探してる人向け。やっぱり2種の販売を期待してしまうと共に、改善してほしいこともけっこうありました。
幅広い層のことを考えると原付1種から発売することは理解できる。
けれど、すでにバイクに乗っている私たちからすると対象となるのはやはり原付2種からだよね。
とはいえ、滑らかな走りはけっこう快適
電気バイクってどうなん?と思っていたけれど、思った以上に滑らかな走りで、意識していないとスピードもぐんぐん出てしまう。他の50cc原付と大差はないくらいに走ります。(坂道は非力だけど)
モードの切り替えもでき、
・STDモード
…スタンダードなモード。
加速やスピードもスムーズで普通の原付バイクのような走りができる。
・ECONモード
… 最高速度を抑え穏やかな加速をするので、バイクの運転に慣れていない方でもコントロールしやすい。と同時にECONモードではバッテリー消費を抑えた走りをすることが可能。STDモードに対し、一充電あたりの航続距離は約15%UPする。
という感じなので、基本的にはSTDモードで走っています。
さて、ここからは乗ってみた感想や改善してほしいことなど忖度なく語っていこうと思います。
EM1 e:|私が感じた良いと思う点
EM1:e の私が感じた良いと思う点はこんな感じ。
- 新車の電動バイクにしては価格が安価
(CEV補助金対象である) - 近所迷惑とは程遠い静穏性
新車の電動バイクにしては価格が安価(CEV補助金対象)
法人向けではあるけれど、HONDAは今まで
・BENLY e:I
・BENLY e:Iプロ
・ジャイロ e:
・ジャイロ キャノピー e:
と実は4つの電動バイクを発売しています。
その価格は以下の通り。
法人向けとはいえ「やっぱり電動バイクって高いね!」
と言ってしまうくらいの価格設定。
さて、今回一般ユーザー向けに発売したEM1e: ですが
なんと32万100円 というの価格を実現されました。
過去発売した電動バイクたちと比べるとかなり安価な設定です。
32万100円の内訳はこんな感じ。
・車両本体:156,200円
・バッテリー:108,900円
・充電器:55,000円
バイク本体だけ見ると15万円という安さが驚きです。
ただ原付1種の値段としては30万越えはちょっと高いかな?という印象。とはいえ、国の補助金(CEV補助金)を使うことができるので(自治体にもよりますが6万円近い補助金をもらえる)実質26万円程で購入することが可能です。
それでもHONDAの50ccスクーターは18万円~あるため(1番安いのはタクト)電動バイクとしては安いけど、50ccスクーターとしてはまだまだ高価なのは否めません。
近所迷惑とは程遠い静穏性
発進時にウィーンというモーター音がするものの、走行中はほぼ無音。段差などでガタゴトいうことはあっても歩いてる人の声までもがちゃんと聞こえるくらい静かなバイクです。
それもそのはず!カウルのビビり音にも注意を払って設計したというこだわりよう。
電動バイクなので冬場の暖気なんていらないし、ボタンを押せばウィーン…と小さな唸り声がちょっと聞こえるだけで走行することができます。
ちょっとおもちゃみたいで面白いです(笑)
古いリトルカブの暖気を白い目で見られている私にとっては、かなりご近所さんと仲良くなれそうな好印象なバイクだなと思いました(笑)
EM1 e:|乗ってわかった電動バイクの現実
ここからはEM1 e: に乗ってわかった電動バイクの実態を書いていこうと思います。
早速ですが、私が個人的に感じた改善してほしい点はここ。
- バッテリーの減りが早い
- バッテリーが重たい
- 坂道が登らない
- メットインスペース欲しい
良い点より改善してほしい点のほうが多いやんけ!
という突っ込みが各方面から聞こえてきますが…(笑)
現時点での電動バイクってそういうもんかな?と。
というのも電動バイクってこれからの未来どんどん改良がなされていくと思うんです。なので、今の段階では「ようやく家庭で楽しめる電動バイクが発売された」という電動バイクの初期の初期。
うーん…と思うことがあって当然だと思うし、これから2種が発売されることを考えたら改善された方がいいことがあって当然だと思います。
バッテリーの減りが想像以上に早い
HONDAのHPを見ると、一充電あたりの走行距離は約53km走れる計算らしい。実際どうなのかというと、もう少し距離は短めかもしれないけどだいたい50kmくらいは走れそうだなという印象です。
というのもバッテリーがゼロになってしまうと強制的にバイクを押して徒歩で帰らなければいけないため、バッテリー残量ギリギリまで走るという賭けにどうしても出ることができませんでした。
なので "どれくらい走れますか?" という質問には「憶測」「印象」という言葉を使ってしまうことになるんだけど、"バッテリーの減り方" で言うと、1分で1%バッテリーが減っていく体感でした。
なので100%(満充電)で100分走れる感覚。
家まで往復しなければいけないと考えると、
片道50分の場所まで行ける計算です。
でももし充電がなくなったらバイクを押して帰るしか手段がなくなってしまうため、ギリギリまで使うのは避けたい。いいところで片道40分の場所まで行けるといったところでしょう。
つまりですね、ご近所しか走れません!
・通勤通学のために駅まで乗る
・近所のスーパーまで買い出し
今のところこの程度でしか使えない。
バッテリーを充電できるスポットが増えない限り、電動バイクが普及することはないかもなー…と考えます。
バッテリー交換スポットGachaco(ガチャコ)
電動バイクのバッテリーを共有使用でき、必要な時に必要な場所で交換できる "便利なバッテリーシェアリングサービス"も登場しています。
その名もGachaco(ガチャコ)!
https://gachaco.co.jp/
高価なバッテリーをいくつも購入することなく「交換したいときに、交換したい場所で」手軽にバッテリー交換が可能なバッテリー自動販売機のようなシステム。
サブスクで使用できる画期的なシステムではあるけれど、まだまだ設置場所が少なすぎてEM1eで使うにはちょっと難しいのが現状です。(設置場所→https://service.gachaco.co.jp/bex)
今後、電動バイクを普及するのなら
①ガソリンスタンドや商業施設に充電スポットを設置する
②ガチャコの場所を大幅に増やす(ガソスタに必ずあるレベル)
③予備バッテリーを積める積載を確保する
など対策は絶対必要かな?と思います。
やっぱり片道40分しか乗れないのは使用用途が厳選されすぎてしまって、手放しに楽しめないんですよね。それと、常にバッテリー残量が気になって仕方がない(笑)
そこが改善されて原付2種が出るなら、購入対象になるかな?と思いました。
バッテリーが重たい
これは仕方のないことなのかもしれないけど、
想像以上にバッテリーが重くてびっくりしました。
その重さ10.3kg!
10kgのお米を想像していただくとわかりやすいかもしれません。
26.1Ahという大容量。
重くなってしまうのは頷けます。
ただ、この重たいバッテリーを充電機から外したりバイクから取り出すためには、腰のあたりまでぐいっと持ち上げなければならないため、女性にはちょっとツライ。
私のような怪力でも「おりゃ!」っとひと踏ん張りしなければいけないので、華奢できゃわわな女子たちが難儀する姿は容易に想像ができます。
充電器はリビングに置いても違和感なし
ちなみにこのバッテリー、充電器で充電するタイプ。
リビングに置いてみたけれど違和感なく馴染んでいて、なんかちょっといい感じ(笑)
ただ、充電中ちょっと大きな音がします。
パソコンを起動するときのような音がずっとしてる。
個人的な意見ですが、最初こそ気になったけれど慣れてくるとそれほど気にならなくなってきました。まぁでも気になる人は気になるかも。
充電器はリビングではなく玄関とかに設置するほうがいいかもしれません。
坂道は想像以上に登りません
1番困ってるのは坂道が全然登らないこと(笑)
想像以上に登りませんでした。
STDモードだと25km~30km。
ECONモードだと15kmくらいしか出ず(笑)
フルスロットルでこれほど進まないバイクは初めてで「まぁそんなもんか?」と思う自分と「いや、坂道登れないのは致命的だろ!」と思う自分との葛藤の日々。
ただ平地では言うことのないくらいスムーズな走り(ほかの原付と同等かそれ以上)なので「なぜ坂道だけ!!」と、少し悔しい気持ちになりました。
メットインスペース欲しい
普段からメットインスペースのないバイクに乗ってる私たちからすれば、メットインなんてどーでもいい問題のように感じるけど、趣味でなく実用で使う方々にとってはメットインって大事なのでは?と思っている。
とくにスクーターって
気軽に乗れて
荷物も入って
生活の足となり
生活に欠かせない
そういうものだと思うんですよ。
今回モニターでお借りした車輛にはHONDA純正のリアボックスがついてきましたが、実際にはリアボックスはオプションです。なのでEM1e: には荷物を入れる場所がほとんどない。
前面のポケットとシート下に少し。
これだと「ちょうどe:(いい)Scooter」にはまだなれないんじゃないかな?と正直思ってしまいました。
まとめ|EM1e:は「ちょうどe:(いい)Scooter」にあと少し足りない
ということで、
ホンダの電動バイクEM1e:に1ヶ月乗って感じた感想
を正直に書いてみました。
もっとソフトな走りなのかと思いきや 想像以上にスムーズな走りをしていたので、電動バイクといえど乗り心地は普通の原付かそれ以上で驚きました。
ですが、まだまだ改善して欲しい部分も多かったなぁという印象です。
また、50ccは制限も多いので
個人的にはやっぱり2種を発売してほしいなぁと思うところ。
これからどんどん電動バイクの時代になってくるのかもしれません。まだまだ初期の電動バイクをモニターとして体験する機会をいただけたのは、とても嬉しく良い経験となりました。
気になる方はぜひHPをチェックしてみてくださいね!
それでは今回はこの辺で終わりです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
ちゃお~